I Love 我妹子

(アイラブわぎもこ)
万葉集を現代語訳(意訳)してみました
訳:辻雅之
  

(第76葉)正月から笑い合えて、めっちゃええやん!

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「正月(むつき)立つ春の初めにかくしつつ相(あひ)し笑(え)みてば時じけめやも」大伴家持(おほとものやかもち)(巻18・4137)

  

(第75葉)こんな夜遅なってから行かんといてえな。笹の葉っぱに霜が積もる夜やでー。

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「はなはだも夜(よ)ふけてな行(ゆ)き道の辺(へ)のゆ笹(ざさ)の上(うへ)に霜の降る夜(よ)を」作者不詳(巻10・2336)

  

(第74葉)山の嵐は吹いてへんねんけど、あんたが来(こ)ん夜は吹かんでも寒いわー。

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「あしひきの山のあらしは吹かねども君なき宵(よひ)はかねて寒しも」作者不詳(巻10・2350)

  

(第73葉)山の黄葉は、今夜も川に浮いて流れてるんやろか。

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「あしひきの山のもみち葉(ば)今夜(こよひ)もか浮かび行(ゆ)くらむ山川(やまがは)の瀬に」大伴書持(おほとものふみもち)(巻8・1587)

  

(第72葉)山の辺りにおったら猟師に狙われて恐いんやけど、妻に会いたくて雄鹿が鳴いてるよ。

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「山辺(やまへ)には猟夫(さつを)のねらひ恐(かしこ)けど雄鹿鳴くなり妻が目を欲(ほ)り」作者不詳(巻10・2149)

  

(第71葉)妻が恋しくて、やまびこが響き合うくらい鹿が鳴いてる。そんな山辺に俺は1人でいるよ。

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「山彦(やまびこ)の相(あひ)とよむまで妻恋(つまごひ)に鹿(か)鳴く山辺(やまへ)にひとりのみして」大伴家持(おほとものやかもち)(巻8・1602)

  

(第70葉)黄葉(もみじ)が散るのを惜しんで、仲のええ奴らと遊ぶ今夜は、朝にならんといて欲しいなあ。

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「もみち葉(ば)の過ぎまく惜しみ思ふどち遊ぶ今夜(こよひ)は明けずもあらぬか」大伴家持(おほとものやかもち)(巻8・1591)

  

(第69葉)うちのダンナが白い服来て行って触れてしもたら、色が移るくらい黄葉した山やなあ。

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「我が背子(せこ)が白たへ衣(ころも)行き触ればにほひぬべくももみつ山かも」作者不詳(巻10・2192)

  

(第68葉)春日野に時雨(しぐれ)が降ってるのが見える。明日から高円山は、髪に黄葉(もみじ)を飾るんやろなあ。

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「春日野(かすがの)にしぐれ降る見ゆ明日(あす)よりは黄葉(もみち)かざさむ高円(たかまと)の山」藤原八束(ふぢはらのやつか)(巻8・1571)

  

(第67葉)昨日まで引きこもってて、今日、春日山見たら、色づいとったわ。

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「物思(も)ふと隠(こも)らひ居(を)りて今日(けふ)見れば春日(かすが)の山は色づきにけり」作者不詳(巻10・2199)

  

(第66葉)秋風が吹いた日から、ずっと待ってたあんたが、やっと来はった!

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「秋風の吹きにし日よりいつしかと我(あ)が待ち恋ひし君そ来ませる」山上憶良(巻8・1523)

  

(第65葉)あんたが来てくれるのがいつかなあ、今かなあ、と待ってたら、顔見られるんやろか。秋の風が吹いてますわ。

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「我が背子(せこ)を何時(いつ)そ今かと待つなへに面(おも)やは見えむ秋の風吹く」藤原宇合(ふぢはらのうまかひ)(巻8・1535)

  

(第64葉)晴れてきれいに照ってる月に、また雲かからんといてくれよー。

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「雨はれて清(きよ)く照りたるこの月夜(つくよ)また更(さら)にして雲なたなびき」大伴家持(巻8・1569)

  

(第63葉)雨が降ったりやんだりしたんやけど、雲が晴れたんで、月が明るくてきれいやわー。

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「思はぬにしぐれの雨は降りたれど天雲(あまくも)はれて月夜(つくよ)さやけし」作者不詳(巻10・2227)

  

(第62葉)9月の白露を浴びて、山が黄葉していくのを見るのもええもんや。

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「九月(ながつき)の白露(しらつゆ)負(お)ひてあしひきの山のもみたむ見まくしも良し」作者不詳(巻10・2200)

  

(第61葉)9月に朝まで輝く月は、白露を真珠のように光らせて、なんぼ見ても飽きへんわー。

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「白露(しらつゆ)を玉になしたる九月(ながつき)の有明の月夜みれど飽(あ)かぬかも」作者不詳(巻10・2229)

  

(第60葉)夕方に草むらで鳴いてるコオロギの声は、なんぼ聞いてもええわー。

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「影草(かげくさ)の生(お)ひたるやどの夕影に鳴くこほろぎは聞けど飽かぬかも」作者不詳(巻10・2159)

  

(第59葉)コオロギが待ち望んでた秋の夜になったんやけど、俺と枕にとっては、ただ寝るだけで、おもろないわー。

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「こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜(よ)を寝(ぬ)る験(しるし)なし枕と我は」作者不詳(巻10・2264)

  

(第58葉)夜が長いせいやろか。あんたが夢に何回も出てきよりますねん。

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「ぬばたまの夜(よ)を長みかも我が背子(せこ)が夢(いめ)に夢にし見えかへるらむ」作者不詳(巻12・2890)

  

(第57葉)使える奴がおらんので、俺の心を飛ばしたんや。夢に見てくれたか?

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「確かなる使(つか)ひをなみと心をそ使ひに遣(や)りし夢(いめ)に見えきや」作者不詳(巻12・2874)

  

(第56葉)ヒグラシは今の時期に、めっちゃ鳴いてるんやけど、あなたを想うかよわい私はずっと泣いてますねん。

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「ひぐらしは時と鳴けども恋ふらくにたわやめ我(あれ)は定まらず泣く」作者不詳(巻10・1982)

  

(第55葉)何もないときに鳴いたらええのに。ヒグラシは物思いしてるときにめっちゃ鳴きやがる。

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「黙(もだ)もあらむ時も鳴かなむひぐらしの物思(も)ふ時に鳴きつつもとな」作者不詳(巻10・1964)

  

(第54葉)天の川の渡し場で、1年中想い続けとったあんたと、今夜逢ってるんやなあ。

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「天の川川門(かはと)に居(を)りて年月(としつき)を恋ひ来(こ)し君に今夜(こよひ)逢へるかも」作者不詳(巻10・2049)

  

(第53葉)空を見たら、天の川に霧が立ってる。あんたが来てくれたんやなあ。

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「天(あま)の原振り放(さ)け見れば天の川霧立ちわたる君は来(き)ぬらし」作者不詳(巻10・2068)

  

(第52葉)あんたのこと恋しく思ってたら、天の川から櫂の音が聞こえてきたわ。

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「我が背子(せこ)にうら恋(ご)ひ居(を)れば天の川夜船(よふね)漕ぐなる梶の音聞こゆ」柿本人麻呂歌集(巻10・2015)

  

(第51葉)夕方に降ってきた雨は、彦星が急いで漕いだ櫂の飛沫(しぶき)が散ったやつなんやろなあ。

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「この夕(ゆふへ)降り来る雨は彦星のはや漕ぐ船の櫂(かい)の散りかも」作者不詳(巻10・2052)

  

(第50葉)天の川から櫂(かい)の音が聞こえる。彦星と織姫が今晩逢うんやなあ。

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「天(あま)の川(がは)梶の音聞こゆ彦星と織女(たなばたつめ)と今夜(こよひ)逢ふらしも」柿本人麻呂歌集(巻10・2029)

  

(第49葉)6月の地面が裂けるくらい照ってる日でも、袖が乾かへん。あなたに逢われへんから。

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「六月(みなづき)の地(つち)さへ裂(さ)けて照る日にも我が袖乾(ひ)めや君に逢はずして」作者不詳(巻10・1995)

  

(第48葉)雨の中で着てるんやないのに、変やなあ、袖が乾くときがあらへん。

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「ひさかたの雨には着ぬを怪(あや)しくも我が衣手(ころもで)は干(ふ)る時なきか」作者不詳(巻7・1371)

  

(第47葉)富士山に積もった雪は6月15日に消えるんやけど、その夜からまた積もり始めるんやで。

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「富士の嶺(ね)に降り置く雪は六月(みなづき)の十五日(もち)に消(け)ぬれぱその夜(よ)降りけり」高橋虫麻呂(たかはしのむしまろ)(巻3・320)

  

(第46葉)この世を何に例えよか。朝、港から漕いで出て行った船の、波跡も残ってないようなもんか。

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「世の中を何に譬(たと)へむ朝開(あさびら)き漕(こ)ぎ去(い)にし船の跡(あと)なきごとし」沙弥満誓(さみまんぜい)(巻3・351)

  

(第45葉)この世がおもろかったら、来世は虫や鳥になってもええわ-!

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「この世にし楽しくあらば来(こ)む世には虫にも鳥にも我(われ)はなりなむ」大伴旅人(おおとものたびと)(巻3・348)

  

(第44葉)世の中を鬱陶(うっとう)しい、このまま生きとっても恥ずかしと思ても、飛んでいくこともでけへん。鳥やないねんから。

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「世の中を憂(う)しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば」山上憶良(やまのうえのおくら)(巻5・893)

  

(第43葉)ダンナの服、濃い色に染めといたらよかったなあ。峠を通してもろたとき、はっきり見えたやろに。

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「色深(ぶか)く背なが衣(ころも)は染めましを御坂(みさか)賜(たば)らばまさやかに見む」物部刀自売(もののべのとじめ)(巻20・4424)

  

(第42葉)足柄峠に立って袖振ったら、家にいる嫁さんにはっきり見えるかなあ。

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「足柄(あしがら)の御坂(みさか)に立して袖振らば家(いは)なる妹(いも)はさやに見もかも」藤原部等母麻呂(ふぢはらべのともまろ)(巻20・4423)

  

(第41葉)あんたへの想いは、奥山のあしびのように、今が満開やねん。

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「我(わ)が背子(せこ)に我(あ)が恋ふらくは奥山のあしびの花の今盛りなり」作者不詳(巻10・1903)

  

(第40葉)春になって枝垂(しだ)れ柳がたわむみたいに、君は俺の心に乗ってしもたなあ。

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「春さればしだり柳のとををにも妹(いも)は心に乗りにけるかも」柿本人麻呂歌集(巻10・1896)

  

(第39葉)雨いっぱい降るなよ。まだあんまり桜見てへんのに、散ってしもたら惜しいやん。

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「春雨はいたくな降(ふ)りそ桜花いまだ見なくに散らまく惜(お)しも」作者不詳(巻10・1870)

  

(第38葉)春の雨に急(せ)かされて、うちの桜が咲いてきたよ。

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「春雨に争ひかねて我がやどの桜の花は咲きそめにけり」作者不詳(巻10・1869)

  

(第37葉)梅の花が咲いて散ったら、今度は桜が咲くようになってるんやなあ。

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「梅の花咲きて散りなば桜花(さくらばな)継ぎて咲くべくなりにてあらずや」張氏福子(ちょうじのふくし)(巻5・829)

  

(第36葉)青柳と梅の花、髪に挿して酒飲んだ後は、散ってしもてもええわ。

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「青柳(あおやなぎ)梅との花を折りかざし飲みての後(のち)は散りぬともよし」笠沙弥(かさのさみ)(巻5・821)

  

(第35葉)毎年、春になったら、こうやって梅を髪に挿して楽しく飲もやないか!

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「毎年(としのは)に春の来たらばかくしこそ梅をかざして楽しく飲まめ」野氏宿奈麻呂(やじのすくなまろ)(巻5・833)

  

(第34葉)今夜の雪でびしょびしょになってしまおう。明日になって消えとったらもったいない。

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「ぬばたまの今夜(こよひ)の雪にいざ濡れな明けむ朝(あした)に消(け)なば惜しけむ」小治田東麻呂(おはりだのあづままろ)(巻8・1646)

  

(第33葉)降る雪が空で消えるみたいに、自分も消えてなくなってしまいそうになるほど恋してるんやけど、ちっとも会えんまま、月日が過ぎていく。

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「降る雪の空に消(け)ぬべく恋ふれども逢ふよしなしに月そ経(へ)にける」柿本人麻呂歌集(巻10・2333)

  

(第32葉)君のために菅の実を摘みに行ったんやけど、山道に迷(まよ)て、1日暮らしてしもた!

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「妹(いも)がため菅(すが)の実(み)摘みに行きし我(われ)山道(やまぢ)に迷ひこの日暮らしつ」作者不詳(巻7・1250)

  

(第31葉)何重にも降り積もれ。すぐ消える泡みたいな雪を見て、長いこと恋してる君のことを想ってるねん。

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「沫雪(あわゆき)は千重(ちへ)に降りしけ恋ひしくの日(け)長き我(あれ)は見つつ偲(しの)はむ」柿本人麻呂歌集(巻10・2334)

  

(第30葉)噂がほんまにうっとおしくなってきても、そんなん気にするわしやあらへん!

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「人言(ひとごと)はまこと言痛(こちた)くなりぬともそこに障(さは)らむ我にあらなくに」作者不詳(巻12・2886)

  

(第29葉)君に恋して心が乱れたら、糸車に掛けて直したらええやん。惚れてしもてそう思た。

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「我妹子(わぎもこ)に恋ひて乱ればくるべきに掛けて搓(よ)らむと我(あ)が恋ひそめし」湯原王(ゆはらのおおきみ)(巻4・642)

  

(第28葉)枕を通した涙の上に、浮いて寝てしもた。恋が激しすぎて。

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「しきたへの枕ゆくるる涙(なみた)にそ浮き寝をしける恋の繁きに」駿河釆女(するがのうねめ)(巻4・507)

  

(第27葉)あんたが着てはる服の縫い目全部に、うちの心も入ってるねんでー。

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「わが背子(せこ)が着(け)せる衣の針目おちずこもりにけらし我(あ)が心さへ」阿倍女郎(あべのいらつめ)(巻4・514)

  

(第26葉)昨日の晩、ちょっと会って、今朝、恋に落ちてしもた。

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「玉かぎる昨日(きのふ)の夕(ゆうへ)見しものを今日(けふ)の朝(あした)に恋ふべきものか」柿本人麻呂歌集(巻11・2391)

  

(第25葉)袖に降った雪よ! 風に流されて、大好きなあの子のところまで行って、袂(たもと)に触れてほしいな。

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「我が袖に降りつる雪も流れ行(ゆ)きて妹(いも)が手元(たもと)にい行(ゆ)き触れぬか」作者不詳(巻10・2320)

  

(第24葉)霰(あられ)が袖に勢いよう降ってきよった! 君に見せたいんで、こっそり包んで溶けんようにしよ。

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「我が袖に霰(あられ)たばしる巻き隠し消たずてあらむ妹(いも)が見むため」柿本人麻呂歌集(巻10・2312)

  

(第23葉)新しい年の初めの今日降り積もる雪のように、今年はええことがいっぱい重なりますように。

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「新しき年の始の初春の今日ふる雪のいや重(し)け吉事(よごと)」大伴家持(巻20・4516)

  

(第22葉)みんな早よ寝えやぁという鐘を打ってるけど、あんたを想ってたら寝てられへんわ。

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「皆人を寝よとの鐘は打つなれど君をし思へば寝(い)ねかてぬかも」笠女郎(かさのいらつめ)(巻4・607)

  

(第21葉)めっちゃ醜いのぉ!賢(かしこ)ぶって酒飲まん奴見たら、猿に似とる。

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「あな醜(みにく)賢(さか)しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る」大伴旅人(巻3・344)

  

(第20葉)春日の三笠山に船のような月が出た。男前(おっとこまえ)が飲んでる杯に影が映ってるよ。

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「春日なる三笠の山に月の船出(い)づみやびをの飲む酒杯(さかづき)に影に見えつつ」作者不詳(巻7・1295)

  

(第19葉)夕方鳴いとった小倉山の鹿は、今晩は鳴いてへん。相手見つけて寝よったんやろなあ。

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「夕されば小倉(をぐら)の山に鳴く鹿は今夜(こよひ)は鳴かず寝(い)ねにけらしも」崗本天皇(巻8・1511)

  

(第18葉)君が俺のシャツやったらなあ! 最近、秋風が寒いんで、直(じか)に身につけたいんや。

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「我妹子(わぎもこ)は衣(ころも)にあらなむ秋風の寒きこのころ下に着ましを」作者不詳(巻10・2260)

  

(第17葉)噂がうっとおしいんで、人に見つからんように、生まれて初めて朝に川を渡ってまーす!

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「人言(ひとごと)を繁き言痛(こちた)み己(おの)が世にいまだ渡らぬ朝川渡る」但馬皇女(たじまのひめみこ)(巻2・116)

  

(第16葉)最近ずっと眉毛かゆいねんけど、ちっとも君に会えんなあ。

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「暇(いとま)なく人の眉根(まよね)をいたづらに掻(か)かしめつつも逢はぬ妹かも」大伴宿祢百代(おおとものすくねももよ)(巻4・562)
※眉がかゆくなるのは、恋人に逢う前兆だと考えられていた。

  

(第15葉)山から出る月を待ってるって、人には言うてるねんけど…、ほんまは君を待ってるねん。

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「あしひきの山より出ずる月待つと人には言ひて妹(いも)待つ我(われ)を」作者不詳(巻12・3002)

  

(第14葉)だいぶ長いこと恋してるんで、朝晩ごとにウエストがばがばになってきたわ。

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「瑞垣(みづかき)の久しき時ゆ恋すれば我(あ)が帯緩(ゆる)ふ朝夕(あさよひ)ごとに」作者不詳(巻13・3262)

  

(第13葉)顔だけでも忘れられるかと思てどついたんやけど、恋心という奴にはぜんぜん効かへん!

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「面(おも)忘れだにもえすやと手握(たにぎ)りて打てども懲りず恋といふ奴(やっこ)」作者不詳(巻11・2574)

  

(第12葉)空を飛ぶ雲になりたいなあ。そしたら毎日君に会いに行けるのになあ。

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「ひさかたの天(あま)飛ぶ雲にありてしか君を相見(あひみ)むおつる日なしに」作者不詳(巻11・2676)

  

(第11葉)めっちゃありがたい仏様の教えと言うても、一杯の濁り酒には全然敵わんぞ!

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「価(あたひ)なき宝といふとも一坏(ひとつき)の濁(にご)れる酒にあにまさめやも」大伴旅人(巻3・345)

  

(第10葉)恋する想いが春草のように大きくなって、でっかい海の岸辺の波みたいに幾重にも積もってしもた。

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「春草の繁き我(あ)が恋大き海の辺(へ)に行く波の千重に積もりぬ」作者不詳(巻10・1920)

  

(第9葉)山の近くに住むもんやないなあ。雄鹿が発情してずっと鳴いとるんで、こっちも寝られへんわ。

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「山近く家や居(を)るべきさ雄鹿の声を聞きつつ寝(い)ねかてぬかも」作者不詳(巻10・2146)

  

(第8葉)おーい、そこの子ら。草刈らんと、穂積朝臣のおっさんの脇毛刈ったれ!

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「童(わらは)ども草はな刈りそ八穂蓼(やほたで)を穂積の朝臣が腋草(わきくさ)を刈れ」平群朝臣(巻16・3842)

  

(第7葉)真っ暗な夜に岩だらけの山道歩くのは嫌やねんけど、君に会いたくて我慢でけへんかったんや!

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「岩根踏み夜道行かじと思へれど妹(いも)によりては忍びかねつも」作者不詳(巻11・2590)

  

(第6葉)人間やめて酒壺になりてぇー!

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「なかなかに人とあらずば酒壺になりにてしかも酒に染みなむ」大伴旅人(巻3・343)

  

(第5葉)金銀、宝石なんかとは比べもんにならへん。お父ちゃんが一番大事なんは、お前らや!

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「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も 何せむに 優(まさ)れる宝 子にしかめやも」山上憶良(巻5・803)

  

(第4葉)想って待っとったら苦しいだけなんで、夜になったら、うちの方から行くで!

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「思ひつつ 居れば苦しも ぬばたまの 夜に至らば 我こそ行かめ」作者不詳(巻12・2931)

  

(第3葉)うちにあった箱に鍵かけて出れんようにしといたのに、恋心のバカタレが…、いきなりつかみかかってきよった!

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「家にありし 櫃に?さし 蔵めてし 恋の奴の つかみかかりて」穂積親王(巻16・3816)

  

(第2葉)忘れ草っていうやつを垣根にみっちり植えたんやけど…。 アホくさ! 全然、効かへんわ

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「忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり」 作者不詳(巻12・3062)

  

(第1葉)もう夏やなあー! お山に干した白いシャツがすぐに乾いて、めっちゃ気持ちええわー!

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「春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山」 持統天皇(巻1・28)

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